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LIFE

#Wako流くらし術

Vol.38 夏のおもてなしは、「南フランス時間」で

2019.06.29

一年でも最も日が長いこの季節。親しい友人と過ごすディナーのひとときも、もっと長く楽しみたくなります。連載最終回となる今回は、WAKOさんのおもてなしの基本であり、大好きな「南フランス時間」でのおもてなしについて伺います。

スタートはキッチンカウンターから

WAKOさんのパーティに招かれ、リビングに入ると、最初に目に飛び込むのはキッチンカウンターに並ぶアペリティフとフィンガーフード。これだけで、ゲストの気分も盛り上がります。
「でもよく見てもらうと、ほとんどは買ってきたものばかりなんですよ。ゲストが来るころ、カウンターの上にシャンパンのボトルと簡単なフードを並べたボードを用意するだけ。大抵は、チーズ、生ハム、スモークサーモン、オリーブ、クラッカー、パン。以前は、“こんなありきたりなものを並べるだけなんて手抜きじゃない?”などと思ったりもしましたが、気合いの入った手作り料理も結局、自己満足だと気づいて。ゲストの方が、うちに入ったとき、ぱっと楽しい気分になれることが何より大事なんです。それに私がもてなし疲れしないことも大切なポイント(笑)」。デリショップで買ってきたものを器に入れ替えただけということもあるそう。頑張りすぎずに華やかな気分を誘うおもてなし、ぜひ真似したいですね。

徐々に移り変わる光が何よりのパフォーマンス

WAKOさんのおもてなしは、この時期ならまだまだ陽が高い、夕方4時ごろから始まります。「以前、南仏で休暇を過ごした時に、一輪のバラを飾っただけの食卓でぶどう畑を眺めながらワインを飲む幸せなひと時を味わったんです。そのシンプルで豊かな気分をみんなと共有したいと思ったのが、私のこのスタイルのきっかけ」。あの日と同じような、リラックスたっぷりの極上の幸せを味わうにはどうすればいいのかーー。日本で再現しようとしてたどり着いたのが、この4時からの南フランス時間だそう。
「明るい時間からシャンパンを飲むのって、それだけで一気に背徳感と贅沢感を味わえますよね。その1杯から始まって、オープンエアの好きな人なら、グラスを持ってテラスでおしゃべりを楽しみます」。少し時間が経ち、景色がピンク味を帯びてきたら、キャンドルタイム。「キャンドルを灯す行為がまたひとつの節目になって、これから始まる夜の時間への期待感が高まるんです」。だからこそ、パーティの日はたっぷりキャンドルを用意しておくことが必須、とWAKOさん。

「ちょっとだけ大げさ」な演出が楽しい

キャンドルと花があれば十分、というWAKOさんですが、無理をしない範囲で少しだけオーバーな演出をすることもおもてなしの楽しさのひとつだそう。「気楽に過ごしてもらうためのリラックス感はもちろん大事なのですが、どこかひとつドラマチックな部分を作ると、自分もゲストも気分が高揚すると思うんです。例えばいつもよりドレッシーな服で迎えるとか、テーブルに飾る花やグリーンを、主張しすぎなくらいのボリュームで飾るとか。おもてなしのハードルは上げずに、いつもよりちょっとだけやりすぎ、を楽しんでいるんです」。そんなささやかな“過剰”の積み重ねが、ゲストの方の、楽しい! 素敵! を誘うのでしょう。

料理は下準備までしておいて、仕上げはゲストの前で

食事は事前にフルコース的なものを仕込んでおくものの並べたりはせず、ゲストの様子を見て調整するそう。「サラダは野菜を洗っておいて、あとはドレッシングと和えるだけとか、メインのお肉はハーブに漬け込んでおいて、あとは焼くだけとか。食べなくても無駄にならないところまで、下準備を済ませておくんです。おしゃべりが弾んだり、お酒が主役になったら、食事はチーズやオリーブだけで終わりということもあります。ゲストの方に、せっかく作ったお料理だから食べなくちゃ悪い、なんて思わせたくないですしね」
おしゃべりをしながらゲストの前で最後の仕上げをするのも、ちょっと楽しいプレゼンテーションの役割を果たすのだとか。万全な準備をしておきながら相手の重荷にならないよう配慮した、徹底した気遣いぶりです。

“マイプレートセット”で自由なブッフェスタイル

WAKOさんの家のおもてなしディナーは、たいていテーブルの真ん中にどんと料理を出して、各自でとるスタイル。サラダもメインも、お酒も紅茶もすべて各自でどうぞ、というやり方です。「食器棚をオープンにして食器を自由にとってもらえるようにしたり、ドリンクコーナーから好きに飲み物を選んでもらうことにしています。食べたいもの、飲みたいものを、欲しいタイミングで、欲しい量だけ楽しんでもらいたいので。ゲストがうちに来て気を遣って帰るなんて、南フランスパーティが台無しですから」。
そこで重宝するのが個人用のトレイ。ここに取り皿とカトラリーが収まるので、自分の食器が迷子になったり、食べかけのお皿があちこちに置きっ放し、という心配もないのです。「それぞれのゲスト用にネームプレートも作っておきます。パーティ気分もアップするし、迷子のお皿もなくなるし、一石二鳥ですよね」

最後はソファでリラックス。どこまでも続く幸せな時間

南フランス時間のおもてなしは、キッチンカウンターから始まって、ダイニングテーブル、テラス、ソファへと少しずつ場所を移動します。数歩歩いて席を移すだけでガラッと気分が変わるのがWAKOさんの家の不思議なパワー。ゲストはグラスをもって自由に歩き回ります。大抵最後に落ち着くのはソファ。
「食後にコーヒーとスイーツを楽しみながら、お開きの時間が近づきます。最後までワインを飲んでいる方ももちろんいますが、ふわふわした気分から穏やかに落ち着いた気分へと、包み込んでくれるコーヒータイムもまたいいんですよ」。無理せず、手間をかけすぎずに、大切な人との最高のリラックスタイムを用意する。“こんなひと時を過ごすために毎日頑張ってる! ”というWAKOさん。自分にとっての幸せのあり方や、人をもてなす心構えのエッセンスのすべてが、この南フランス時間に詰まっているのです。

今週のTO DO LIST

✔︎キャンドルと花は、“多すぎ”くらいセッティングを
✔︎一人用のプレートをゲストの数だけ用意しておく
✔︎途中で場所を移してモードを変える

WAKOWAKO

ライフスタイルプロデューサー。1979年生まれ。インテリアや食、パーティや旅など、 生活を幸せにするアイデアを提唱。2015年に、白金台の人気セレクトショップ「kokoro」をクローズし、家をベースにした働き方に。現在は雑貨やキッチンウェアな どのプロデュース、スタイリング提案、コンサルティングなどを行う。1男2女の母でもある。 インスタグラム@wako_world

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Photos JUNKO KAISATO Text YURICO YOSHINO
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